結婚してまだ一ヶ月だというのにもう独占欲があるだなんて。以前恋人がいた時だって、こんな気持ちになった記憶はない。
大和が浮ついた態度で仕事をしているとは思えないし、浮気するだなんて考えているわけでもない。けれど事務所で女性に囲まれている彼を想像すると、なんだか胸がモヤモヤする。
(そんなこと考えたって仕方がないってわかってるんだけど)
いつの間に、こんなにも大和を好きになっていたのだろう。
なにか大きなきっかけがあったわけではない。
日々一緒に過ごす中で、小さな〝好き〟が心に降り積もり、それがいつしか大きな愛に育っていた。
そんなふうに、ゆっくりと夫婦になっていくのが幸せで、いつか大和にも同じような気持ちになってほしいと思う。
だからといって職場の人間関係に口を出すつもりはないし、一緒に働く人の中には女性だっているのだから、些細なことでヤキモチを妬いていたら迷惑だろう。
まだ好きではない、名ばかりの妻からならばなおのこと。
瑠衣は俯いたまま、なにか話題を変えようと思考を巡らせたが、大和の方が少し早かった。
「久保が言ってたことを気にしてる?」
図星を差され、顔を上げた。
小さな嫉妬を見透かされたのだと思い、恥ずかしさに顔が熱くなる。



