エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


二十分もかからないで出てきた大和と入れ替わりでバスルームに向かうと、広々とした浴室に足を踏み入れた。

(落ち着こう。いつかこういう日がくるってわかってたんだから)

大人ふたりが一緒に入れそうなほど大きな浴槽には白濁のお湯がたっぷりと張られ、いい香りが充満している。

大和はシャワー派だと言っていたし、きっと瑠衣のために用意してくれたのだろう。

(嬉しい。大和さんの優しさに触れるたび、どんどん好きになっていく)

いつもより丁寧に身を清め、しっかりと髪を乾かしてからリビングに向かうと、先程までの明るい昼白色のライティングではなく、柔らかなオレンジ色の照明に変わっていた。

L字型の大きなソファに座り本を読んでいた大和が、瑠衣に気付いて顔を上げる。

「おかえり」

黒のロングTシャツにスエット生地のパンツというラフな格好の大和が新鮮で、瑠衣は直視できずに小さく頷いた。

一方瑠衣はシンプルなワンピースタイプのパジャマ姿。肌触りがよく、くるぶし丈のふんわりとしたデザインになっていて、パステルカラーのコスメ柄が着る人の可愛さを引き立てる。

化粧を落とし、部屋着で彼の前に出るのは初めてで、なにを着るべきか数日前からかなり悩んだ。

結局、無理をしても長く続かないという結論に至り、普段家で着ていたような形のパジャマをいくつか新調したのだった。