ふたりで食事をし、新居となる彼のマンションへ帰ってきた。
指輪を買った日にマンションのカードキーも貰い、必要なものを少しずつ運び入れていたのと、瑠衣の部屋のものはほとんどが大和が新調してくれたので、特に荷ほどきなど大掛かりな手間はない。
クローゼットには、指輪と同じ日に買った大量の服が収められていた。
何度か足を踏み入れているマンションだけれど、今日からここが我が家となるのだと思うと、なんとも言えない不思議な気分だ。
大和と一緒に選んだソファやダイニングテーブルが置かれたリビングダイニングは、初めて訪れた時とはまるで違う印象で、同じ部屋とは思えないほどガラッと雰囲気が変わった。
ふたりで目指した温かみのある柔らかい雰囲気の空間にいると、じわじわと入籍したのだという実感が湧いてくる。
相変わらずソファ前のローテーブルに分厚い本が積み上がっているのが可笑しくて笑っていると、大和が声を掛けてきた。
「汗かいたし、まずはシャワーかな」
「そうですね。高城さん、お先にどうぞ」
「瑠衣、君ももう〝高城さん〟だよ?」
「あっ」
指摘されてようやく気付いた。夫となった人を、いつまでも他人行儀で呼ぶわけにいかない。
当初、大和は事務所を継ぐべく婿養子になる話もあったが、結局は瑠衣が高城姓となった。



