エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


入籍を控えた昨夜、早めに帰ってきてくれた英利と早番だった瑠衣、それから今まででいちばんのご馳走を作って待っていてくれた依子の三人で食卓を囲んだ。

『いよいよ瑠衣も嫁に行くのか』
『あっという間ね。ちょっと前に成人したと思ったら、もう結婚だなんて』

しみじみと呟く両親の会話を、瑠衣は微笑みながら聞いていた。

『あぁ。高城くん、いや、もう息子になるんだし大和くんか。彼が前向きに受け止めて話を進めてくれたからな。彼なら事務所はもちろん、瑠衣のことも任せられるさ。まぁ、それにしてももう入籍なんて早すぎる気もするが』
『あら、英利さんが言い出した話じゃない』
『そうだが結婚はいずれという話で、今すぐにと思っていたわけじゃ』
『いいじゃない、おめでたいことなんだから』

嬉しそうに話す両親を見て、瑠衣はこの決断が間違っていなかったのだと後押しをされた気分だった。

両親が事務所のことだけでなく、瑠衣の幸せも考えてくれているとわかるからこそ、大和との結婚を決めたのだ。

食事の後、リビングのソファに場所を移し、瑠衣は考えていた言葉を口にした。

『改めて、お父さんお母さん、これまで育ててくれてありがとうございました。これからは、高城さんと夫婦としてやっていきます』
『瑠衣……』

結婚前夜の挨拶に涙ぐむ依子を見て、瑠衣ももらい泣きしてしまい、それ以上言葉が続かなかった。

それでも感謝の気持ちを伝えたくて、子供のようにぎゅっと抱きつくと、彼女もしっかりと抱き返してくれた。