エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


一方大和は、ライトグレーの開襟シャツに黒のパンツと、シンプルなモノトーンコーディネート。それゆえ彼本人の素材の良さが引き立っている。

「まずは俺の部屋でもいいかな?」
「えっ?」

買い物と聞いていたため、まずはどこかショッピングモールか、少し早いがランチへ行くものだと思っていた瑠衣は、突然最初の目的地が彼の自宅と聞き、身体が跳ねるほど動揺した。

(待って、え? 部屋って、そんなに突然……?)

たしかに跡継ぎをつくるための結婚を承諾はしたものの、まだすべてにおいて心の準備が整ったわけではない。

いきなり初デートでそんなことになるとは思っていなかったため、今日は自分がどんな下着かも覚えていない。

梓との〝初デート対策会議〟では、そんな話題すら出なかったのだ。

(どうしよう。〝身体の相性〟的な……?)

梓とふたり揃って恋愛経験値が低いから知らなかっただけで、大人のデートならこれが普通なのだろうか。

戸惑ったまま〝はい〟とも〝いいえ〟とも言えないでいると、続けて大和が口を開いた。

「入籍後どこに住むか考えたんだけど、今の俺のマンションなら瑠衣の職場にも行きやすいと思うんだ。部屋も余ってるし、瑠衣が嫌でないならそのまま住み続ければいいかと考えてて。一度見てもらいたいんだ」
「……あ。なるほど」

自宅訪問の目的を伝えられ、瑠衣は納得してホッと胸を撫で下ろす。それと同時に、自意識過剰な想像を恥ずかしく思った。