エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


スポーツカーらしい洗練されたデザインの真っ白な車は、何十年もの時代を超え世界中の車ファンの憧れを一身に集めるモデルだ。

〝走り〟を追求したブランドで、ドライビングの安全性を重視した設計がなされており、標準のシートよりも多少硬く製造されている。

そのため意中の女性を乗せるのに適しているとは言い難いが、低振動で安定感は抜群だ。

「ごめん、シート硬いかな」
「え? いえ、気にならないです。カッコいい車ですね」

瑠衣は免許を持っておらず、車にも詳しくないため、それ以上の感想が出てこないが、それでも父の運転する国産車とはハンドル周りから全然違う。

「ありがとう。去年買い換えたばかりで、気に入ってるんだ。今度から瑠衣用に助手席にはクッションを置こう」

さりげなく助手席を瑠衣専用だと言ってくれる大和に、瑠衣の心臓は高鳴る。

「えっと、今日はどこへ?」

メッセージで待ち合わせ場所と時間を決めたものの、具体的にどこへ行くのかは聞いていない。

なにを着ていくか悩んだものの、買い物に付き合ってほしいと言われていたため、百貨店などに入っても恥ずかしくないようなスタイリングを心掛けた。

襟にビジューのついた白いノースリーブのブラウスに、膝下で揺れる若草色のチュールスカート、レモンイエローのパンプスで、夏らしくもきちんとした雰囲気に纏めたつもりだ。