「向こうも瑠衣と距離を縮めようって考えてくれてるってことだよね。じゃないと一緒に買物に行こうなんて言わないんじゃないかな」
瑠衣が『結婚するからには、いい夫婦になれるように努力していこうと思ってる』と話したのを覚えてくれていた梓はそう言うと、着替えを済ませてスマホ片手に固まっている瑠衣を励ますように腕を絡めてきた。
「ご飯食べに行こう。そこで対策を練ればいいよ」
「対策?」
「そう。初デート対策。まずはなんて返信するかってところからだよね」
真面目にそんな提案をする梓が可笑しくて、瑠衣は図らずも肩の力が抜けた。
* * *
梓と行きつけの居酒屋で〝初デート対策会議〟をしてから三日後の土曜日。
互いの休日が重なっていたため、ランチの時間の少し前に待ち合わせをすることになった。
わざわざ迎えに来てもらうのは申し訳ないと伝えたが、大和は『先生と依子さんにも挨拶したいから』と言って、車で瑠衣の実家まで来てくれた。
「それでは、瑠衣さんをお借りします」
「ありがとう。頼むよ、高城くん」
「楽しんでいらっしゃい」
両親に簡単に挨拶を済ませ、大和が開けてくれた助手席に乗り込む。



