エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


依子と料理をしていたため、エプロン姿で出迎えたこのシチュエーションは、まるで新婚夫婦みたいだ。

そんな自意識過剰な感想を持つと、じわじわと顔が熱くなっていく。

慌てて『いらっしゃいませ。上がってください』と告げると、大和は眩しいものを見るかのように目を細め、『ただいま』と笑った。

それだけで、瑠衣は大和が変わっていないのだと嬉しく感じたのだった。

帰国祝いのささやかなパーティーがはじまり、日本とアメリカの弁護士業務の違いなどを真面目に語り合っていたが、お酒が進むに連れて、徐々にプライベートな砕けた会話になっていったようだ。

瑠衣は母とともにホストとしてもてなす側に徹していたが、大和が騒がしくなった彼らの輪から抜け出し、ひとり庭先で佇んでいたのを見つけた。

『疲れましたか?』
『いや、あのままあそこにいると、潰れるまで飲んでしまいそうだから』
『すみません。その筆頭は父ですよね』

英利は嬉しくなると酒が進んでしまうタイプだ。もちろん周囲に強要はしないが、いい年をして、いまだに二日酔いで後悔する日もあるほど。

今日もすこぶる飲んでいる。それだけ大和が留学先から成長して帰ってきたことが嬉しかったのだろう。