エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


帰宅すると、時刻はまもなく午後六時。休日を家でゆっくり過ごしていた大和が出迎えてくれた。

「おかえり、瑠衣」
「ただいまです」
「寒かっただろ。風呂沸いてるから、先に入っておいで」
「ありがとうございます」

お言葉に甘えて風呂でしっかり温まり、立ち仕事でむくみがちな脚を念入りにマッサージする。これをするのとしないのでは、明日パンプスを履く時のキツさが断然違う。

髪を乾かし終えてリビングに入ると、豚肉の焼ける匂いと、食欲をそそる醤油の焦げた香ばしい香りが漂ってくる。

瑠衣が来たのに気付いたらしく、キッチンから大和が顔を覗かせた。

「もう出来るから」
「すごくいい匂いがします。生姜焼き?」
「お、正解」
「手伝いますね」
「大丈夫、座ってて」

大和はキッチンへ入ろうとする瑠衣を止め、チュッと音を立てて頬にキスをする。

甘い仕草に盛大に照れながらも、大人しく任せて待つことにした。

冷蔵庫からペットボトルの水を取って自室に向かい、ポーチから薬を出して一錠飲み下す。