両親や友人に日本土産を買いたいと言う彼女にいくつかおすすめの店を紹介すると、『あなたも仕事バカなのね』と笑われたが、そのあとに『もしまた日本に来る機会があれば、ここを使わせてもらうわ』と言ってもらえたので、褒め言葉として受け止めている。
なんにせよ、梓の言う通り、問題はすべて解決した。
彼女は実際にフロントで瑠衣と沙良が対峙しているのを見ていたので、余計に気にしてくれていたようだ。
「ごめんね、心配掛けたのにメールだけの報告で」
「仕方ないよ、最近シフト被らなかったもんね。この繁忙期が終わったら、久しぶりにご飯でもいこうね。そこで、新婚生活の色々聞かせてもらうから」
隣でダウンを羽織り、瑠衣に向けてニヤリと笑う。
「な、なによ、色々って」
「色々は色々だよ。いいなぁ。私も結婚とは言わないから、恋愛してみたいなぁ」
「梓は美人なんだから、その気になればよりどりみどりでしょ」
「そんなことないけど、そもそも好きな人ってどうやってつくるのってところからだからさ」
「……先は長そうだね」
「それも込みで、色々話そうね」
互いに笑い合いながらホテルの職員通用口を出て、駅のホームで反対方面の梓と別れる。



