エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


すると、大和が目を眇めるようにしてこちらを見ている。

「大和さん?」
「とはいえ、妬けるものは妬けるな」
「え?」
「名前。また呼んでた」
「あっ」

彼の低くなった声にハッとする。昨夜も同じ指摘をされたばかりだった。

瑠衣としては佐藤を名字で呼んでいた期間がないだけで他意はないのだが、あからさまに拗ねた顔をする大和に擽ったさを感じる。

先程飲み込んだ小さな嫉妬心が、すっと消えてなくなっていく。

「早く帰ろう。今夜は俺の名前だけしか呼べないようにしたい」

その言葉の裏にある真意を正しく受け取ると、瑠衣は耳まで真っ赤に染めながらもう一度小さく頷いた。