エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


「大丈夫か?」
「はい。なんというか……随分独特な恋愛観に驚いてしまって」
「気にしなくていい。以前からあんな感じだし、彼女が特殊なだけだ」

もしかしたら大和につれなくされてヤケになったのではとも思ったが、彼の口ぶりからそうではないのだろうと知れた。

なんとなく身体から力が抜ける。

「ありがとうございました。井口さんにきっぱり言ってくださって」
「礼を言われることじゃないよ。むしろ巻き込んでごめん」

瑠衣は首を横に振ると、最後に彼女としていた話の意味を尋ねた。

「あぁ、佐藤社長の会社の件だ」
「孝弘の?」
「クロージングして情報が公開されたら詳しく話すよ。瑠衣の元恋人だろうと大切なクライアントだから、最高の条件で契約してみせる。悪い話じゃないから安心して」
「はい」

仕事の話なら、きっと守秘義務もあるだろう。

多くを語らずとも意味を察せた沙良を羨ましくも思ったが、そこは同業者。わかり合える部分もあるのだろうと嫉妬心を飲み込み素知らぬ顔で頷いた。