エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


「仕事よりも女が大事なんて。変わったのね」
「彼女のおかげだ」
「そう」

沙良は何度も小さく頷き、なんとか納得しようとしているように見えた。それを見つめる瑠衣の胸までもぎゅっと締めつけられる。

はるばるアメリカから休暇を利用して日本に会いに来るくらいだ。きっと軽くない想いなのだろう。

だけど、瑠衣も大和を必要としている。譲るわけにはいかない。

気を強く持って沙良を見つめたままでいると、ふと思い出したように彼女が口を開いた。

「……あなたの紹介してくれたレストラン、どこも素敵だった」
「え?」

これまでの突き刺さるような眼差しを和らげ、沙良が瑠衣に視線を向けた。

「言っておくけど、ひとり寂しく行ったわけじゃないわよ。ディナーの相手くらい適当に見繕えるわ。どこも雰囲気がよくて、美味しいお店ばかりだった」
「それは……よかったです」

大和と行くつもりで尋ねたであろう店に別の人間と行ったと聞かされ、どう反応していいのか迷う。