言うが早いか大和は瑠衣の唇を奪い、歯列を割って舌を差し込み、口腔を満たす。
何度味わっても甘い瑠衣の唇を堪能し、息苦しさに胸を喘がす彼女を腕の中に囲い込んだ。
「ん、はぁっ」
「他に言いたいことは?」
なにを言われても抱く手を止めないつもりだったが、瑠衣から予想外の名前が飛び出してきた。
「あの、ひとつだけ。井口沙良さんとは会われましたか?」
大和は瑠衣の上で淫らに蠢いていた手を止め、驚きに満ちた表情で彼女を見つめる。
「どうして井口を?」
先ほどとは反対に、大和が瑠衣に尋ねる番だった。
「あの、アナスタシアに宿泊されてるお客様なんです。アメリカから大和さんに会いに来たって」
嫌な予感に顔を顰める。
先程の〝留学していた頃の同僚も待ってる〟という瑠衣の言葉が妙に胸に引っかかったのだ。
大和は瑠衣の背中に腕を差し入れて上体を起こしてやると、そのまま横抱きにして膝の上に乗せた。



