縁のなかった温かい家庭を与えてくれただけでなく、本気で恋に溺れる感情までも味わっている。
瑠衣と結婚しなければ、一生知らなかったものばかりだ。
そう伝えて微笑むと、瑠衣は頬を包む大和の手に小さな手を重ね、微笑み返してきた。
「私、大和さんが好きです」
初めて気持ちを言葉にされ、大和は目を瞠った。
「確かに、最初に父から話を聞いた時は断るつもりでした。でも、大和さんと一緒に過ごすうちに、いつの間にか入籍するのを楽しみにしている自分に気付いたんです」
重ねられた手の薬指には、大和が贈った指輪が輝いている。
〝運命の出会いを果たしたふたり〟というコンセプトのリングの中央には、愛し合うふたりを模したふたつのダイヤが並び、いつかこの指輪に似合う夫婦になろうと誓ったのだ。
少しずつ距離が近付いていたとはいえ、自分の想いの方が大きいと思っていた大和は、入籍前から心を寄せてくれていたという事実に喜びを噛みしめる。
「誰になにを言われても、大和さんを好きだって気持ちは揺らがなかった。好きです、大好きです」
「ありがとう。俺も……好きだよ、瑠衣」
「跡継ぎとか関係なく、いつか大和さんとの子供がほしいって、夢見てもいいですか?」
「もちろんだ。瑠衣の子供なら、間違いなく可愛い」



