エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


大和は佐藤が自分のクライアントであること、雑談で元恋人に復縁を持ちかけた話を聞いたこと、その前日に瑠衣と話しているのを遠目で見ていたので、相手は瑠衣だろうと予想がついたのだと話した。

「大和さんのクライアント……あ、だから孝弘は会社がバタバタしてるって言ってたんだ」

ひとり納得する瑠衣を、すうっと目を細めて見やる。

「目の前で昔の男の名前を何度も呼ばれるのは面白くないな」
「あっ、ごめんなさい」

素直に口を押さえて謝る瑠衣を見て、自分の余裕のなさに苦笑が漏れる。

「自分でも初めて知った。こんなに嫉妬深かったなんて。情けないな」
「そんなことないです。大和さんには申し訳ないけど、ちょっと嬉しいって思っちゃいました。なんだかすごく……愛されてるみたいで」

器の小さな自分に肩を落とす大和とは反対に、芽衣ははにかみながらも嬉しそうに笑った。

「〝みたい〟じゃなく、ちゃんと実感して」
「え?」
「愛してる。瑠衣」

クスクスと笑っていた瑠衣が、大和の言葉にハッと息をのんだ。