エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


話の途中での急な抱擁に瑠衣が戸惑っているのがわかったが、大和は構わず腕に力を込める。

瑠衣を悩ませた自分への不甲斐なさに憤りを感じるとともに、ひたすらに大和のことを考えてくれる瑠衣の健気な心に愛おしさが溢れてくる。

「それで、ピルを飲もうと思ったのか」
「……ごめんなさい。黙って、勝手に」
「謝るのは俺の方だ。こんなに悩ませていたなんて、まったく気付けなかった」

身を切られる思いで瑠衣を抱きしめ、懇願するように許しを請う。

「すまない、瑠衣。俺のために悩ませてしまって」

そっと身体を離し、赤くなった目元から溢れる涙を拭ってやると、柔らかく白い頬がほんのりと色づく。

その柔らかい感触を愛おしく思い、両手で頬を包んだまま額を合わせた。

「でも、これだけは覚えておいて。俺はいくら恩師から頼まれたって、好きでもない女性とは結婚しない。瑠衣が好きだから、先生からの提案を受け入れたんだ」
「好きって……え? でも最初は父の希望を叶えたいからって」
「確かにそう言った。ごめん、でもあれは口実」
「口実?」

六つも年上の男として情けない裏事情だが、こんな風に瑠衣を悩ませてしまった以上、すべて正直に話すべきだと大きく息を吐いてから話し始めた。