そう言って紺くんはもう一冊の方の本を取り出した。

「それはさっきも言ったように、私のオススメの本です。羽生ちゃんにオススメしてもらって

とてもいい本だったので、紺くんにも読んでもらいたくて」

「へ〜。感動?恋愛?友情?ホラー?SF?」

「感動です!私、読んでる時ずっとボロボロ涙が出てきましたよ」

「初が涙出てきても俺は出てこないかもしれないよ」

「いえ、私が断言します。絶対に涙ボロボロになります……ハックションッ」

もう夕方で、風も冷たくなっていたからくしゃみが出た。