「何で?」

「さっきあの子が私たちに気づいた時、スマホ覗き込んでたから顔が近かったじゃん?」

そうか……それで……。

「すみません!追いかけてきます!」

「うん。行ってらっしゃい!」

そう言ったリリカは、初のために全速力で走っている紺を見ながら考えていた。

(私も、もう一度あの人を追いかけてみようかな……)