(うわー。初って、鋭いのか疎いのかよくわかんないな)

「紺くんの行きたいところってまだ着かないんですか?」

「んー。後もうちょっとかな」

「そうですか。あ、紺くん。あんなところに本屋さんが……」

ありますよ。と言おうとすると、紺くんに遮られた。

「初、本屋さんに行こう」

「え、あ、ちょ、ちょっと待ってくだい!紺くん?」

どれだけ呼んでも紺くんは握った手を離してくれない。