俺は今、隣の席で心底驚いている芽衣を見て、口元が緩みそうになっているのを必死に堪えている。

芽依は、小学校まで家が隣同士だったことと、親同士が仲が良かったことでよく二人で遊んでいた。いわゆる、幼馴染というやつ

だ。

しかし、勝手な、本当に身勝手な親の仕事の転勤のせいで俺は、引っ越しをすることになり、この世で一番大事で愛おしく思って

いた、初恋の芽依と離れ離れになってしまった。

だから俺は、ひたすら親を憎んで、憎んで、で、どうしようもないんだということがわかって、自分でどうにかすることに決め

た。

それから俺は、自分の使命を見つけた獣のように、芽依のことを手当たり次第探りまくって、この、七海学園高校に入学すると

いうことがわかった。