その男の子と一緒に、後ろのほうの席に座り、私たちにもキャンドルを渡される。

沢山のキャンドルの灯が揺れていて、なんとも、厳かで美しい光景だ。

此処ならば、街の飾り立てたクリスマスとは全く雰囲気も違うし、何となくホッとする。

とはいえ、聖書の言葉など全くわからないし、讃美歌も歌えないから口パクだ。

そのあとで、簡単な立食パーティーがあり、そこで私は、ここに通っているクリスチャンのお姉さん、お兄さんと、さっきの男の子との4人で、あれこれ話していた。

さっきの男の子はクリスチャンではなく、私と同じく、ただ何となく気になって足を止めていただけだったらしい。

大和という名前で、近くの大学に通う1年生。

「ねえ、二人とも連絡先交換しようよ!」

「あ。俺も!」

クリスチャンのお姉さんとお兄さんが、かなりフレンドリーに言ってきて、またしても流されるように、連絡先を交換する。

この日、アドレス帳には新たな友達が3人追加となり、何かと受け身の私としては、逆にありがたい。