「ど、どうして……」
驚く絵梨花の腕が引っ張られる。あっという間に夏樹の腕の中に囚われていた。ふわりと全身に漂う香りに、目の前にいるのが本当に夏樹なのだと絵梨花は理解する。絵梨花を抱き締める夏樹の手は、どこか震えていた。
「あの日、家に帰ったら絵梨花さんがいなくて、あのメモとお金と指輪を見て、ショックで泣くことしかできなかった。でもある日、友達が「インスタ見てたらお前の元婚約者っぽいのがいたぞ」って教えてくれて、ここまで来た」
インスタ、と聞いて絵梨花はハッと思い出す。少し前に新しく入ったアルバイトの歓迎会をしたのだ。その際、写真を撮っていた人の誰かが加工を忘れてアップしてしまったのだろう。
「……何で、急にいなくなったの?俺がどんな気持ちになったか考えた?絵梨花さんのことだから浮気とか、そういうのじゃないっていうのはわかってる。ねえ、何でこんなことしたの?」
泣いてしまいそうな声で夏樹に言われ、絵梨花の唇も震える。もう二度と会うことはないと思っていた人だ。涙が、頰を伝っていく。
驚く絵梨花の腕が引っ張られる。あっという間に夏樹の腕の中に囚われていた。ふわりと全身に漂う香りに、目の前にいるのが本当に夏樹なのだと絵梨花は理解する。絵梨花を抱き締める夏樹の手は、どこか震えていた。
「あの日、家に帰ったら絵梨花さんがいなくて、あのメモとお金と指輪を見て、ショックで泣くことしかできなかった。でもある日、友達が「インスタ見てたらお前の元婚約者っぽいのがいたぞ」って教えてくれて、ここまで来た」
インスタ、と聞いて絵梨花はハッと思い出す。少し前に新しく入ったアルバイトの歓迎会をしたのだ。その際、写真を撮っていた人の誰かが加工を忘れてアップしてしまったのだろう。
「……何で、急にいなくなったの?俺がどんな気持ちになったか考えた?絵梨花さんのことだから浮気とか、そういうのじゃないっていうのはわかってる。ねえ、何でこんなことしたの?」
泣いてしまいそうな声で夏樹に言われ、絵梨花の唇も震える。もう二度と会うことはないと思っていた人だ。涙が、頰を伝っていく。

