「はな!」

学校の敷地に入ってすぐ、

後ろから聞き慣れた声が聞こえた。

「美波。」

「はな、ずっと連絡しなくてごめん。

晴人から聞いたよ。

私の勘違いで、はなのこと責めてた。

本当に、ごめん。」

美波は深く頭を下げた。

「美波、頭あげてよ。

今回のことは、誰も悪くないの。

たまたまが重なり合って、

結果的にこうなっただけで。

誤解が解けたなら、それでいいの。

だから、謝らないで。」

「ありがと、はな。

卒業式、来れてよかったね。」

美波は思い切りハグしてくれた。