ドナーが決まって、ようやく体調が回復に向かってきた頃、
いつものように手を繋いで傍にいてくれる慎太郎に抱き締めてほしいとねだると、
優しく優しく抱き締めてくれた

「俺が傍にいるから大丈夫だからな?」
「泣いたらぎゅってしてやるから」
「だから、泣いてもいい」

幼い頃の手術前と同じように慎太郎は言う

小さな慎太郎も感じられて
我慢しきれず、その日は泣いた


手術はもう目の前に迫っていた…