「美夜、一緒に帰ろう?」
「今日、約束があるから」

「美夜、今日一緒に」
「ごめん、今日疲れてるからもう寝るね」

「美夜…」

まるで塔の中に閉じこもったお姫様だ

それから一週間、美夜と一緒にいることすら難しくなった。
校内では浮気だ、夫婦喧嘩だと騒がれ、
美夜の両親からは、そっとしておいてほしいと頼まれた…



「笹山せーんぱいっ」
「…もう、俺に構うなよ」
「婚約者に冷たくされて落ち込んでいる所なんか絶好のチャンスじゃないですか」
「お前…最低だな」
「なんとでも言ってください」


「俺には美夜だけがお姫様なんだよ…」

「真山先輩には、別の王子様が現れたみたいですけどね?」

「は…?」

「知らないんですか?」