齢二十五歳。夫:政宗、妻:雪乃。誕生日は、ひと月違い。
『なんでもおまかせ』な政宗と、『ねぇパパ!白金でお家を選ぼう』でお馴染みの雪乃。
昔は愛くるしい程の笑顔を振り撒いていた両者だが…今ではどうした。
「おい、眉間の皺が取れなくなるぞ。」
「貴方もね…。」
政宗の脳内では、某新世紀アニメ指揮官のおっさんや、某ジ◯リ映画に登場する悪役眼鏡兄さんの様な悪役面が浮かんでくる。
一方で雪乃は、帰路の道中で調べに調べ尽くした夫婦像のイメージ画像を思い出し、吐き気を催していた。
お見合いは済んだ、結納式も恙無く終了した。引っ越しはそれぞれ空いた時間に終わらせ、玄関に靴が有るか無いかで在宅状況を把握していた二人。
食事は日中家政婦が作り置きする物を食べ、後片付けもシンクに放り込んで終わり。
「ねぇ、知ってる?…日本の夫婦って、妻の方が夫を立てなきゃならないらしいわ…それって可笑しいわよね。」
真剣な顔して毒を吐く。否、雪乃の不満である。
「俺が調べたサイトには、夫婦は共に寝ると書いてあった…。」
明らかに嫌そうな目付きで、雪乃を見る政宗。
「それは同感よ…。」
「てことで、寝室は別々でいいよな。」
前途多難、障害物は低レベル。二人の頭の中には、嫌な事で溢れてる。
