「可愛いのは紗世でしょ?」

拗ねる彼も可愛い。

「紗世、俺と家族になろ?」

「う…うーん、」

「…どうしてここまできて迷うんだよ」

「だって、ずっと幼なじみだったから想像出来なくて…」

「………わかった」

「うい?」

「まず、俺とデートしよ?」

「デート?」

「紗世が俺と家族になるのが想像できたら、俺と家族になろう。まず幼なじみのイメージ壊していくわ」

「うわっ…」

「覚悟しろよ、俺の20年、舐めんな」

………20年?