「でも…」


嫌な汗が頬を伝う。
喉がカラカラになる。
息を吸っているのか吐いているのか止めているかすらわからない。


「でも、初人に守ってもらうだけじゃなくて、私も初人を守りたいし、幸せにしたい。だから二人で幸せになろう?私と、結婚してください」




「さよちゃん、かっこいい…」



一瞬の静寂のなか、
愛しい彼女が笑顔で答えてくれた。


思わず、しんたろうとみよちゃんのことを忘れて紗世にキスをしていた。


「ういっ…みてっ見てるから!」

「えっ?あ、やべ」

「ういと、かっこいい!」
「さよちゃん、おめでとう!」

「みよちゃん、ありがとう!」
「さよちゃん、みよのこと結婚式に呼んでくれる?」
「え?」
「みよ、ウェディングドレス着られないかもしれないから…さよちゃんのドレスがみたい」
「…みよちゃん」
「だめ?」
「ううん、もちろんしんたろうくんと二人でおいで?」
「ほんと?ほんとに?」

「うん」
「しんたろー、みよ、手術がんばるね!一緒に、結婚式行こうね!」
「うん!おれ、応援する!」


二人のためだけではないけど、
みよちゃんが手術を頑張る手助けをしたかった


後から正直に伝えると、
紗世はうるうるしながら
「二人の前でプロポーズしてくれてよかった…私、幸せだよ…」
そう答えてくれた