「ういと!」
「あれ、しんたろう?」

また次の日もしんたろうは俺を待っていた

「どした?」
「ういと!お願いがあるんだ」
「ん?」

しゃがんでしんたろうの話を聞くと

「ういととさよちゃんの結婚式に出たい!」

「え?」

「みよが…みよがさよちゃんのドレスがみたいって」

「みよちゃんが…」

「おれ、おれなんでもする!トマトも食べるし、宿題もするし、ういとのお手伝いもする!だから…ういととさよちゃんの結婚式に出たい」

「しんたろう…」

「みよ…泣くんだ、みよはドレス着られないかもって…」

いつも泣かないしんたろうが、その日は瞳を潤ませて必死に伝えてくる

「みよ、さよちゃんのドレスみたいって泣くんだ…ねぇ、ういと…」

「分かった…わかったよ、しんたろう」

まだ7歳の二人にこんなに強く願われて…
紗世にドレスを着てもらうのはもう少し先だろうと思ってたが、これは…

「しんたろう、まずはプロポーズ大作戦を成功させないとだ…!頑張るわ!」


泣きじゃくるしんたろうを抱き締めて、
強く決意した