それから月に1、2回はしんたろうと稽古という名の自分磨きをすることになった

しんたろうは思った以上に根気強くて努力家で、負けてられないなという気持ちにさせてくれた

トマトの絵本を読んで、トマトへの嫌悪感を減らしてからミニトマトを少しずつかじって食べられるようになる徹底ぶりには驚いて
しんたろうのご両親にすごく感謝された
俺は何もしていない。
しんたろうの努力だ。

「初人、おれトマト食べられるようになった!」
「かっこいいな!さすがしんたろう!」
「うん、でもみよ最近具合悪いんだ」
「そっか…」
「みよに元気になってほしいんだけど、なんかいい方法あるかな?」
「んー、なんだろうな」
「初人、さよちゃんにプロポーズ、した?」
「え?いや、まだだな」
「お花、ないから?」
「え、…それだ!みよちゃんに花束渡そうか」
「みよに?」
「お姫さまには花束渡すのが王子さまなんだぞ?」
「そっか!お花だ!」
「みよちゃん、病院にいるのか?」
「ううん、お家で寝てる」
「そっか、んじゃまずは一本からだな」