「初人、起きて」
「ん…」
「遅刻しちゃうよ…?」

「え…」

夢か…?俺のベッドに…紗世が…

「寝ぼけてるの?初…とっ?!」

思わず抱き寄せると苦しそうに息をする。
夢じゃない、紗世だ。本物だ。

「初人っ…苦しい…っ」
「あ、ごめんっ!」

「ほら、シャワー浴びて着替えないと。私もそろそろ家に帰らないと遅刻しちゃうから行くね?」

パタンっとドアが閉まり、慌てて追いかける

「さ、紗世」

「ん?」

「いってらっしゃい」

「うん、いってきます。初人も気をつけていってらっしゃい」

「あ、紗世」

「ん、なあに?」

「忘れ物」

「え?なんだろ、財布?スマホ?あ、鍵?」

ぐっと抱き寄せてキスをすると
りんごよりも真っ赤な紗世の出来上がり。

「いってらっしゃいのキス」

「も、もうっ、いってきます!」

怒って照れる紗世も可愛い

「あぁ、恋人最高…」