「紗世…もっと意識して?
俺のこと、好きになって?」

まっすぐな視線が痛いくらいに私を見つめる

「初人…」

「焦って先に抱いちゃったけど、紗世の心が欲しい。俺だけしか目に入らないくらい好きになってほしい」

「うん」

こんなに好きでいてくれる初人を
幼なじみだと、ただの幼なじみになんて
もうみられない。

「もう、幼なじみじゃないね…こんなにドキドキして、胸が苦しくなったら…初人はもう…好きな人だよ…」

「紗世…っ」

暗くて波の音しか聞こえない海岸で
幼なじみから王子さまになった彼は
私にそっとキスをした…