「初人、ごめんね、ごめんね、怒っちゃったよね。あの、初人までいなくなったら私…」

紗世は事故で両親を亡くしている。
幼なじみだから、だけでなく
身近な人間が俺であって、俺までいなくなることを怖がっている。

「紗世」

「うい…っ」

俯く紗世に口付ける
目を見開いて固まっている紗世も可愛くて堪らない。

「ねぇ、紗世。家族になろうか」
「え?」
「俺がずっと傍にいる。幼なじみじゃなくて、紗世の家族になる」
「うい…」
「絶対離れないし、一人にしない。幸せにする」
「で、でも…」
「でも、なあに?不安なこと、俺に教えて?」

紗世の不安なら、全部受け止める。