悠真にカットしてもらい、身なりを整えた後、デートの行き先を絞っていく。

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「初めてのデートは水族館がいいなぁ」
「水族館か」
「そ、北園先輩の大人な雰囲気と水族館素敵じゃない?」
「そうか?」

中2の紗世は生徒会執行部の北園という先輩に憧れていた。
確かに北園先輩は周りより落ち着いていて、気遣いも勉強も出来てあいつなら…と思った時もあった。
ただ、
「藤原さん?大人しくていい子だよね、頭撫でたら真っ赤になっちゃってさ、あれなら簡単にキスもその先もさせてくれそう」
どんな奴か確かめる際にふいに溢したこの発言で、絶対こいつはダメだと悟った。
「北園先輩、彼女いるらしいよ」
「えっ?」
「日曜日、出掛けた時彼女といるとこみかけちゃったんだ」
「そ、そうなんだ…」

「だからさ、水族館は俺と行かない?」