食事を終え、エレベーターで一階へとおりると、ちょうど同じタイミングで三組がエレベーターホールで顔を合わせた。

「みなさんも終わられたんですね」

 ホッとした様子の初が、他のペアに声をかける。

「まーね。ほんとこんなときまで課題とかやめてほしいよね」

 星出がため息まじりに言うと、

「まったくだ」

 と、牛若がすかさず同意する。

「でも食事はうまかったな」

「うん。夜景もキレイだったし」

 星出が宇貝の横顔をそっと見上げるのを見て、初は(あれっ?)と思った。

(あの二人、ちょっと仲良くなっている気がします。きっといいことがあったんですね)

 初がニコニコしていたら、それに気づいた様子の紺が、

「あー、また厄介な敵が増えたか」

 とつぶやいた。