【追加課題】

 大変! エレベーターが途中で止まっちゃった!?

 パートナーが、愛の力で怖がるあなたを救ってくれたら課題クリア。

 もちろんパートナーには、ヒ・ミ・ツ♡



「なるほど。学園長らしいな」

 虹叶がぼそりとつぶやくと、ふっと笑った。

「つまり、星出は本当に怖かったわけじゃないんだな?」

「そもそも途中で止まるってわかってたしね」

「そうか。なら、ダマされるのが俺でよかった」

 そう言うと、虹叶はあたしに背を向け、階数を表示している液晶画面の方を見上げた。

 え……。

 頭の処理が全然追いつかなくて、あたしは黙ったままじっと虹叶の背中を見つめた。

 最上階に到着したエレベーターの扉が開くと、

「やっと着いたか」

 とつぶやいて、虹叶がエレベーターの外に出る。

「なにしてる?」

 虹叶が、固まったままのあたしの方を振り向いた。

「……ううん。あー楽しみだなー。お腹すいたね、虹叶」

 あたしが虹叶のとなりに立つと、虹叶も前を向いてあたしに合わせて歩き出した。

 神様、最高のクリスマスイブのプレゼントをありがとうございます。