この学校に入学して早くも一年が経った。
それなのに俺は未だに運瑠との距離は縮まらない。
さっきだって声をかけてくれたのに冷たく返してしまった。
そんな俺に声をかけてきたのは友人の友聖だ。
「命斗!お前まだ運瑠ちゃんと晩飯食べないのか?」
「…うるさい」
俺だって後悔してるんだ!
運瑠のご飯食べたいに決まってる!
朝ごはんなんかいつもちゃんと用意してくれて笑って「おはようございます」って。
もうそれだけで胸がいっぱいで……。
「運瑠ちゃんに告白しないのか?」
「……」
運瑠を俺だけのものにしたいのは確かだ。
でも運瑠は…俺の事好きではないと思う。
だって俺は運瑠に冷たくしてしまうから。
だから好かれる要素なんて何一つない。
「告白しても振られるのが目に見えてる」
今の関係も失ってしまうのが怖くてたまらない。
「そろそろツンはやめないと関係は変わらないよ。それに誰かに取られても知らないぞ」
「……」
そんなのわかってるに決まってる。
でもいざ、運瑠を目の前にするとどうしても冷たくしてしまう。