「麗華姫はねぇ、ななみんのことが気に入ったんだって!」


笑顔でそういうのは柑奈。


——ななみん?

あたし、そんなあだ名知らない。

奈々美は、『ナナちゃん』とか『なな助』とか呼ばれていた。

奈々美、いつからそんな関係だったの…?



「奈々美ちゃんは、きっと、もっと可愛くなるわ!あたしが保証する!!」


麗華が奈々美の手をとってにっこり笑った。

天使のような微笑みだった。


「ありがとう。麗華姫!」


奈々美がにっこり笑って答えて、あたし達の方に顔を向けた。


「あたし、これから麗華姫たちと行動するの!」


どこか、薄っぺらい、満面の笑みだった。

奈々美と過ごせなくなることは、寂しいけど、あたしには奈々美にどうこう言う権利はない。

だから、


「よかったじゃん、奈々美。」


にっこり笑って答えるしかなかったんだ。



その時、あたしは奈々美の髪の毛の先がかすかに震えていることに気づかなかった。