「ごめ……ごめんね…愛香…。」

「うるさい。もういい!!!」


あたしは、百合香に背を向けて走った。


「愛香っ…!」


自分が嫌になる。

こんな、こんな幼稚なことしかできないあたしが。


でも、あたしの心は、あたしの考えていることとは反対のことを感じる。


傍観者が、許せない。


八神さんの気持ちがわかる気がする。

あたしたち、傍観者は、いじめられている人を、苦しめる。


あたしは、完全に頭に血がのぼっていた。