——ドカッ!
あたしは力一杯ぶーちゃんを蹴った。
「ぐっ…!」
ぶーちゃんはひっくり返って倒れる。
「気持ち悪いんだよ、ゴキブリの出来損ないが!!」
あたしはぶーちゃんを冷たい目で見る。
その時、大事なことに気がついた。
「あ、そうそう〜。あたし、金欠だから…、あんたのお金、貰ってくわ〜。」
「え…?」
あたしは、愛香のポケットを探って、財布を取り出す。
お、2万円入ってんじゃん。
あたしは、1万5000円を抜き取った。
「ん、さんきゅ。」
「お、お願い…!やめ…!」
まだ、何か言うの?
もう、こうなったらやってやる。
「死ねよマジで。」
——ガシャン。
あたしは扉を閉めた。
そしてカチリと鍵を閉める。
「やめて!出して!!お願い…!やめてよ…!!!!!」
泣きながら扉を叩くぶーちゃん。
うるさいうるさい。
「出してーーー!!」
「黙れよゴミっ!」
あたしは鍵を持って倉庫から遠ざかる。
ドンドンと叩いている音が徐々に聞こえなくなる。
ふん、明日の朝までそこにいろよ。
あたしはニヤリと笑って、家路についた。
——鍵を持ったまま。