ゲームセット

ナオは泣きそうな声で、事の一部始終を話しだした。



「・・・そう。そんなことが・・」

「あたし・・・どうしたら・・」


ナオは混乱しているようだった。

ここを生きて帰るにも、混乱したら駄目だ。とりあえずわたしは、彼女を落ち着かせることにした。


「大丈夫。あそこの絶叫アトラクションの船はそんなに高くつくられてないわ・・・それに、下は水でしょ?大丈夫よ」


・・・全部ハッタリだ。

わたしは船の高さなんて知らないし、下は水でも沈んでいるかもしれない。


ナオは混乱状態で、何故わたしが船の高さを知っているかなんて疑問に思わなかったのだろう。