あれから思考回路は止まっている。
部屋のベッドで昔天井に貼った星の蓄光ステッカーを眺めていた。

音楽室で宇井の涙を見て何かしないとと思ったら抱きしめていて他意はないのだが・・・

"ウィルにキスしたくせに!"

宇井はそう言った。

どうして宇井はウィルのことを知っている?

そこから思考が進まない。

ウィルと宇井。共通点。

音楽か!紗良か!

2つも出てきた。

友達なのか?紗良がウィルと友達なのであり得る話だ。
でも宇井はライブハウスには来たことがない。

音楽は似てないか?声は?

急いで紗良にメッセージを送った。

"宇井とウィルは姉妹か?"

画面を睨みつける。紗良早く見ろ!

"既読"

だがすぐに返事は来なかった。

明日はいよいよ合唱コンクール予選。今日は明日のために休養しなさいと部活は休みだった。

宇井、明日大丈夫だろうか。


高校生合唱コンクールの予選は県の文化会館で行われる。
想像していたよりも大規模だった。

集合場所で待っていると紗良らしき人を見かけた。

「紗良!」

紗良は俺に気づくと逃げ出した。は?何で?俺も追いかける。

「紗良!」
捕まえた。