俺は初めこそ男どもを蹴散らしていたが面倒くさくなり放っておいたら怜がその役目をしてくれるようになった。

怜は小学校からの付き合いで瑠璃のこともよく知っていた。

怜は瑠璃を妹のように扱っていたがいつからか変わっていった。

あれは女を見る目だ。

しかし当の本人は気づかない。兄の友達→兄みたいなもん、となっていた。最近では怜を不憫にさえ思えてくる。

ウィルとなった瑠璃は俺たちがよくライブをするライブハウスAquaが気に入ったらしく、時間がある時はカウンターで勝手に手伝いをしていた。

他のライブを観たり聞いたりしたいらしくライブがない時も手伝いに行っていた。店長のマツさんも流石に中学生を働かせる訳にはいかないので給料の代わりに賄い込みでOKとなった。

俺が大学に入ってから知ったことだったが親がこのAquaに少しだが援助しているらしかった。

親父が学生の頃世話になったライブハウスでその頃は店長もマツさんではなかったが、今でも親交があり日本にいる時一度は足を運んでいる。

家で練習していると親父がAquaに行ってみろと言われデモテープを持って行った。

「まあ試しに演ってみろ」

とマツさんに言われ初ライブをした。