内心 ”やり過ぎじゃね?” と思ったと同時に胸の奥が疼いてしまった。


案の定ライブハウスに連れて行くとあれは”誰だ?””誰の女だ?”とガヤができてしまった。

「俺の妹だからな!」

と一歌は防御線を張っていたがだんだん面倒になり野放し状態になる。

それからは俺が壁となり変なやつが来ないようカウンターにいる間は常に俺がそばにいた。

俺には流石に塩対応ではないがそんな様子を見て
「怜ってウィルと付き合ってんの?」
と何人も聞いてくる。

「だとしたらなんだよ」

返ってこの方がいいかもしれないと思った。一時は付き合ってるという噂が流れ、その方が寄ってくる男も減ったのでそのままにしておいた。

そのまま現実に持っていけばよかったと今では思う。・・・セコイ俺。


瑠璃が高校生になり変なやつも自分で追い払えるようになったので俺の役目も終わった。

もう昔の変装の影はなく彼女は地で魅力的になっていった。女の成長は早いなあ。

「今日はバイクじゃないのか?」

瑠璃がカウンター仕事の合間に飲んでいた。

「バイクだよ。でもこれうっすいやつだよ」
「だめだ、俺が送ってく」

兄よりも親ぐらいに思われてるかもな・・・