「怜くんも瑠璃のお兄ちゃん?」
「そうだ、だから怜の言うこともちゃんと聞くんだぞ!」

子供の頃の一歌(いちか)と瑠璃の会話で俺も兄扱いになった。

一歌の親はミュージシャンでたまに海外公演のため家を留守にする。なので3人でよく遊んだりご飯を食べたりお泊まりしたりしていた。

そのまま大きくなり俺と一歌は同じ中学に入る。その頃から俺たちの興味はバンドへと移っていく。

一歌と瑠璃は親の影響もあり小さい頃からいろいろ演奏させられていた。

瑠璃は真面目だから言われるままにこなしていたが、一歌は"もうヤダ!"と言って中学へ上がる頃には反抗していた。

それが今では音大へ行っている。

「あの頃は言われるままするのが嫌だったんだよ!思春期で反抗期だったんだ!」

だそうだ。

俺は普通の大学の経済学部。でも好きだからバンドは続けている。

高校の時、瑠璃がキーボードで俺たちのバンドに参加することになった。

「中学生だとやっぱまずいのかな、ライブハウスって」
「バレたら面倒そうだよな」

俺たちは女性ファッション雑誌を買い高校生に見えるように瑠璃をモデルチェンジした。

「これならいけるだろう」