「ほら、私達のライブする前に私に言ってくれたやつ。緊張はいいことだってやつ」

あーあれか。改めて言われると恥ずかしい。当日俺らの出番は最後・・・望むところだ。

通しの練習を1時間ほどし解散した。

「響、明日はクロTでいいんだよな。下はどうする?」
「下?考えてなかったな。クロか制服でもいいんじゃねー?」

当日宇井は午前中コーラス部の発表があるようだった。

「コーラス部、観に行くよ」
「うん、みんな頑張ってるから観にきて。そうだ、私は制服?クロT?」
「え、クロTでしょ?だってMuskaだし」

「ひびきー」

智香が呼びに来た。

「あ、おれ、担任に呼ばれてたんだ。じゃあ明日な」

宇井と別れた。

「あの子って、コーラス部の子だよね?」
「うん、そうだよ」
「響の企画に参加してるの?」
「ああ、同じバンドでキーボードしてる」
「え?そうなの?」
「うん、何で?」
「んーん、別に・・・」


帰りにバイトのバイク屋に寄った。

「ヤスさん、この前言ってたやつ借りれますか?」
「おう、どれでもいいけどどれもきたねーぞ」

俺は明日ここのツナギを着ることにした。