たった一曲なのに終わると体から熱気が出ていそうなほど高揚していた。

紗良が大きな拍手をしてくれる。

「どうだった?」

響に聞く。彼も他のメンバーも呆然としていた。どうやらみんな良いと判断してくれたらしい。

コンクールの時ともこの前母さんたちと演った時とも違う緊張感。私は新しい扉を開いたようだった。