リサはハッとしたように、私を振り向く。

「実は私…もしかしてオリエも同じかと思ってたけど…本当なの?」

もう、隠したって仕方ない。

「そうだよ。同室のペア…ユキオには既にカミングアウトしてる」

「ねぇ、私と同じなら、どうしてこの学校に来たの?」

リサの問いに、私はもう何も包み隠さず打ち明けた。

「そういうリサこそ、新設の高校なら他にもあるのだろうに、何で、よりによってここに?」

「私は、弱虫だからね…さっき話したことが原因で、もうそういう目で見られることに耐えられなかった。だから、無理してでもストレートとして生きなきゃいけない…それなら、この学校に来たら変われるんじゃないかって。でも、現実はそんなものじゃないね…」