リサは、その折れそうなほど華奢な体を震わせている。

「きちんと否定すればよかったって思うでしょう?でも、出来なかった。その理由は訊かないでね…?オリエに嫌われたら、私もう…」

女子たちからは、妬みから「気取ってて感じ悪い」などと、陰口を叩かれるほどクールなリサが、幼い子供のように哭いた。

私は、多分これまでの人生最大の勇気で、後ろからリサを抱き締めると、

「嫌いになんてなるわけないでしょ」

そう呟いた。

「その痛み、知ってるから。リサがずっと苦しんできたこと。理由は…言わずもがな、賢いリサなら判るよね?」